自動販売機の防犯 パート2
こんにちは
自販機マンです
数年前、猛威を振るった「偽造500ウォン」 自動販売機業界を震撼させたその手口とは・・・
当時のコイン識別機には、世界最高峰のセキュリティーシステムが登載されており、その事が自動販売機の「無人で販売する」というシステムの根幹を支えていた。
その事は、現在も変わることなく、「無人であっても販売機内の商品と金銭は安全に守られている」と言う事が守られていない限り、自動販売機は存在し得ない。
コインは、投入された後センサー部分を通過し、「大きさ」・「形状」・「重量」・「素材」によって識別され、通貨として認められなければそのまま返却口に返される仕組みとなっている。例えば
「500円のような物」を投入しても、金属素材が違う、重さが足りない、などの理由で受け付けないため、実際に偽造硬貨を作るのは
不可能だと思われていた。(偽造の500円を作るコストのほうが、はるかに高くつくから)
しかし、そんな自動販売機メーカーの自身を覆すかのように、「偽造硬貨」は登場してしまった!それは全く予期しなかった方向からの攻撃であった。
一から偽造硬貨を作るのではなく、現在流通している「安い通貨」を再加工して、より「高い通貨」として通用させる・・・。
当時500ウォンを手にした事のある人は、500円に似ているナァ、という程度の認識はあったかもしれない。しかしながら、世界に数ある通貨のひとつに過ぎず、当然冗談で500ウォンをそのまま自動販売機に入れても、センサーにひっかかり、通用しなかった。
だが、この500ウォンは、単に似ているというだけではなく「重さ」を除いた「大きさ」「形状」「金属素材」の部分まで、コイン識別機のセンサーをクリアするものであった!
当時そのことを知る人間はほとんどいなかったであろうと思われるが、「窃盗団」は偶然か、その事を知ってかは分からないが、500ウォンは重さの部分をクリアすれば500円として通用すると言う事に気付いてしまった!
そこで彼らが取った方法は「特殊なドリルを使い、一定の重さの分だけ削り取る」と言うものであった。削り取られた部分は、どの「偽造硬貨」も同じ形状をしており、大量生産を前提に作られている事が明白であった。そして、そのターゲットは紛れもなく「自動販売機の市場」に向けられている事も・・・
当時の500ウォンは、日本円にして約50円ほどの価値しかなかった・・・
つづく
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